高校総体2回戦
東福岡vs青森山田

今日から宮城インターハイへ。
2回戦、近年高体連盟主の座を争ってきた東福岡と青森山田のビッグマッチが早くも実現。
今季も現時点で前者はプレミアリーグウエスト3位、後者はイースト2位と東西高体連最高位につけており、今シーズンの行方を占うと言っても過言ではない一戦です。
会場は、みやぎ生協めぐみ野サッカー場。
最寄りの利府駅から上り坂が大半を占める徒歩40分と、なかなかにハードな道のり。
前日の雨も上がり雲の切れ間に時折陽射しもありますが、例年に比べれば涼しいコンディション。
芝生席のバッグスタンドに到るまで超満員となり、この一戦にかかる期待の大きさが伺えます。
東福岡高校
今シーズンは、プレミアリーグWESTに所属。
第9節終了時点で5勝1分3敗勝点16の3位。
今大会は、
1回戦:vs 明徳義塾(高知) 5-0
今シーズン初観戦。
GK
14 松田 亮 2年 186/77 FC佐伯S-Play
DF
2 中村 駿 3年 179/67 大分トリニータ
3 長尾 宏清 3年 174/65 神戸FC
4 阿部 海大 3年 184/72 スマイス・セレソン
5 斉藤 諒 3年 179/69 センアーノ神戸
MF
7 田村 和玖人 3年 169/70 センアーノ神戸
8 青木 真生都 3年 165/60 サガン唐津
10 福田 湧矢 3年 176/68 小倉南FC
16 石原 利玖 2年 173/64 レタドール熊本
11 木橋 朋暉 3年 177/67 FCグローバル
FW
9 守田 怜司 3年 173/70 FC NEO
ーーーーーーーー守田ーーーーーーーー
ー木橋ーーーー----ーーーー石原ー
ーーーー福田ーーーーーー田村ーーーー
ー長尾ーーーーー青木ーーーーー中村ー
ーーーー斉藤ーーーーーー阿部ーーーー
ーーーーーーーー松田ーーーーーーーー
45分
16 石原→
12 江村 凛太郎 3年 サガン鳥栖
49分
7 田村→
13 大森 真吾 2年 小倉南FC
2017年U-18日本代表/阿部
青森山田高校
今シーズンは、プレミアリーグEASTに所属。
第9節終了時点で6勝1分2敗勝点19の2位。
今大会は、2回戦からの登場。
今シーズン初観戦。
GK
1 坪 歩夢 3年 177/75 青森山田中
DF
2 鍵山 慶司 3年 175/70 FC東京深川
3 佐藤 拓海 3年 181/72 三菱養和SC調布
4 小山内 慎一郎 3年 177/68 青森山田中
5 蓑田 広大 3年 180/75 大豆戸FC
MF
7 檀崎 竜孔 2年 175/65 青森山田中
8 堀 脩大 3年 177/71 FC東京深川
10 郷家 友太 3年 186/78 ベガルタ仙台
13 田中 凌汰 3年 173/65 青森山田中
16 浦川 流樺 3年 176/71 横浜F・マリノス
FW
11 中村 駿太 3年 172/70 柏レイソル
ーーーーーーーー中村ーーーーーーーー
ー檀崎ーーーーーーーーーーーー浦川ー
ーーーー郷家ーーーーーー田中ーーーー
ー佐藤ーーーーー-堀-ーーーーー鍵山ー
ーーーー小山内ーーーーー蓑田ーーーー
ーーーーーーーー-坪-ーーーーーーーー
56分
5 蓑田→
17 三國 ケネディエブス 2年 青森山田中
59分
16 浦川→
9 佐々木 友 3年 青森山田中
62分
13 田中→
15 安藤 駿 3年 FC Avenidasol
70分
7 檀崎→
14 瀬尾 純基 3年 ガイナーレ鳥取
2017年U-18日本代表/郷家、中村
試合形式は35分ハーフ。
お互いをリスペクトしていることが伝わる緊迫感溢れる立ち上がり。5分経過まで両者ともにチャンスはなし。中盤での激しいコンタクトが続き、潰し合いの様相に。
最初のチャンスは東福岡。6分、CBから右サイドへフィード。16石原利玖がスピードでちぎってクロスを上げると、9守田怜司にはわずかに合わずDFがクリア。これを二列目10福田湧矢が拾いますが、トラップが乱れ再びDFがクリアします。
6分、今度は山田。中盤で8堀脩大がボールをカット、ショートカウンターから2vs1のビッグチャンス。右サイド11中村駿太へのラストパスからシュートを放ちますが、戻ったDFがなんとかブロック。
東福岡は伝統のサイドアタックを繰り出すべく両サイドのライン裏へミドルフィードを狙いますが、山田は緻密なラインコントロールで対応。敢え無く低い位置からサイドへ展開しますが、その次のパス精度を欠きバイタル以降に運ぶことができません。1トップ9守田怜司のロングボールも、青森山田CBの高い空中戦闘力を前に弾き返されてしまいます。
12分、山田は最終ラインのビルドから左バック3佐藤拓海がチェックを剥がし縦にフィード。ライン裏7檀崎竜孔が抜け出しクロスをあげますが、中には惜しくも合いません。
14分、山田は相手陣内でDFのクリア奪うと、8堀脩大が得意の左足ミドルで狙いますがゴール右。
山田は、徐々に東福岡のパス回しを守備範囲に収め始め、個々のサイズ、コンタクトで上回る中盤で奪ってのショートカウンターを仕掛ける場面が増えていきます。コーナーをしっかり得て、厚みのある攻撃。
15分、東福岡はセンターサークルでのセットプレー。8青木真生都がアーリークロスを供給すると、山田1坪歩夢が競り合って一旦ボールをこぼしますが自ら回収。
17分、東福岡の右コーナー。全員がゴールに入り山田DFを撹乱。8青木真生都が強烈に巻いたクロスをゴールへ蹴りこみますが、DFがしっかりクリア。
その後、東福岡は受ける動きが少ないせいか、パスが守備網に引っかかるように。山田は攻守の切り替えが早く、相手ボールの際は10郷家友太含め8人が自陣に引き、スペースを埋めて出しどころを与えません。
24分、山田はパスカットから13田中凌汰が一枚剥がしてカウンター。右サイドへ展開し、16浦川流樺が運んでクロス。ニアの11中村駿太はスルー、最後は田中が左足で狙いますが惜しくもゴール上。カウンターの精度が増し、ゴールの匂いが漂い始めます。
そして27分、均衡が崩れます。山田は最終ラインから右サイドへのフィード。16浦川流樺が頭で前へ繋ぐと、二列目の13田中凌汰が一気に抜け出します。GKとの1vs1、スライディングシュートで東福岡14松田亮の脇を抜き、殊勲の先制弾!
〈東福岡高校 0-1 青森山田高校〉
35分、山田は10郷家友太のパスカットからショートカウンター。右サイド11中村駿太が抜け出しグラウンダーのクロス。ファー7檀崎竜孔がシュートフェイントでDFを完璧に交わし、落ち着いて流し込みますがこれはオフサイドの判定。
ここで前半終了。青森山田はあわや2点リードと緒戦の難しさを感じさせず高い集中力を維持したさすがの内容。東福岡は、売りの両ウイングがDFに封殺され、攻め手のない厳しい展開に。
1分、1点を追う東福岡が仕掛けます。自陣コーナーからのカウンター。中盤で9守田怜司から右サイドへ展開、16石原利玖が縦に運び斜め前へのクロスに再び守田が抜け出しGKと一対一のビッグチャンス。フィニッシュはキーパーを破りますが、ゴールわずか左!
4分、東福岡は右サイドで細かく繋ぐと、7田村和玖人が重心の低いドリブルでちぎってクロス。9守田怜司が飛び込みますがミートできず。
東福岡は大きな展開からショートパスを繋ぐスタイルに切り替えると、テンポよく繋ぎリズムが出るように。
しかし、この流れを山田が断ち切ります。9分、左サイドへのフィード。7檀崎竜孔がタメを作り中へ繋ぐと10郷家友太、11中村駿太のパス交換から一旦は4阿部海大がカットしますが、エリア右に流れたボールを16浦川流樺がハーフボレー!巧く抑えたボールは、逆サイドネット上段に突き刺さります!キーパーノーチャンスのゴラッソ!
〈東福岡高校 0-2 青森山田高校〉
2点のビハインドを負った東福岡は、2枚を入れ替え。
180cm超のサイズがあり、相手を背負える大森をワントップに投入し、9守田怜司を一列下げます。布陣を以下の通りに。
ーーーーーーーー大森ーーーーーーーー
ー木橋ーーーー----ーーーー江村ー
ーーーー福田ーーーーーー守田ーーーー
東福岡は大森を狙って前線にロングボールを入れますが、山田は4小山内慎一郎、5蓑田広大二人がかりで対応。
21分、東福岡はキーパーキックから一気にライン裏へ。大きくバウンドしてエリア内に到達したボールを13大森真吾がDF、GKと競り合いますが、1坪歩夢が弾いて自らキャッチ。山田はこのプレーで5蓑田広大が負傷。
三國は196cmの超大型選手。FWとして年代別代表経験もある選手ですが、CBとしての起用。
23分、東福岡の左コーナー。ショートスタートから10福田湧矢の横パスに中央11木橋朋暉が左足ミドルで狙いますが、枠を捉えたボールはブラインドながらも1坪歩夢が横っ飛びしっかりキャッチ。
24分、山田は右サイドのスローイン。11中村駿太が抜け出してファーへの完璧なクロス、フリーで飛び込んだ7檀崎竜孔がヘッドで合わせますがゴール上!これは決めたかった場面。
26分、東福岡は右サイド12江村凛太郎から左足のクロス。DFが弾きますが、中央後ろから走りこんだ8青木真生都がダイレクトで強烈ミドル!これがDFに当たりGKの逆をついてネットに突き刺さります!東福岡が1点を返し、まだまだ試合はわかりません。
〈東福岡高校 1-2 青森山田高校〉
青木真生都は左右高精度のミドルキックが特長。ストレートと鋭く曲がるボール多彩に蹴り分け、プレースキッカーとしても中心的な役割を担います。
残り10分を切り、東福岡は4阿部海大を前線に上げます。
布陣を以下の通りに。
ーーーー大森ーーーーーー阿部ーーーー
ー木橋ーーーー----ーーーー石原ー
ーーーー福田ーーーーーー田村ーーーー
ー長尾ーーーーーーーーーーーー中村ー
ーーーー青木ーーーーーー斉藤ーーーー
27分、山田の交代。守備的ボランチを二枚に変更。
ーーーーーーーー中村ーーーーーーーー
ー檀崎ーーーーー郷家ーーーーー浦川ー
ーーーー安藤ーーーーーーー堀ーーーー
ー佐藤ーーーーーーーーーーーー鍵山ー
ーーーー小山内ーーーーー三國ーーーー
その後次々と放り込まれるロングフィードに対し、17三國を中心にひたすら弾き返し続ける山田。
そして35分、山田はDFライン裏への大きなクリアから、10郷家友太がDFとの競争に勝利。GKとの1vs1を確実に流し込み、勝負を決める3点目。
〈東福岡高校 1-3 青森山田高校〉
35分、山田の交代。
昨季ルーキーながら終盤定位置確保し、次期エースの証である7番を背負う檀崎竜孔は、チーム1のクイックネスを誇りキレで勝負するプレーヤー。置き所もよく相手に飛び込ませない間合い作りに長けているので次の一手のための時間を作れる稀有な選手。試合を決するヘッドは決めたかった。
その後も送り込まれるロングボールをシャットアウト。
山田が名門対決に勝利。完勝とも言っていい内容で、3回戦に駒を進めました。
青森山田は、今年も高体連さらには年代全体でも最高レベル。最終ライン、そしてアンカー8堀脩大含めた守備力は非常に高い。今日は東福岡のウイングと相対し、際立ったのが2鍵山慶司、3佐藤拓海の両サイドバック。サイドに大きく開いて裏をとらせず、厳しいチェックでスピードにも乗らせない。封じ込めたのは今日の勝利の大きな要因に。堀は、昨季はクロス精度の高いサイドアタッカーとして活躍も、サイズが増した今季は空中戦そして潰し役と守備でも十分に闘える選手に成長。エース10郷家友太はさすがの内容。プレミアイースト得点ランクトップの攻撃力に注目していましたが、今日は東福岡10福田湧矢のケアを始めとする守備のタスクでも存在感を示すと、終盤試合を決定づけた得点時の狙い所を見極めたチェイス、それを実現したスタミナ、そしてゴール前の落ち着きとチームへの貢献度は特大。そしてレイソルから移籍した「変化」を期待した11中村駿太。サイドに流れてボールを引き込み、逆サイドへの展開など視野の広さは感じさせました。でも物足りない。個人的にフィニッシュワークの滑らかさこそ彼の最大の魅力と思っていたので、シュート数の少なさ、ゴール前のプレー機会の少なさは、まだ彼がフィットしきれてないということのはず。まだ伸び代の残る青森山田、明日は前橋育英の挑戦を受けます。
東福岡は、完敗といった内容。ペースを握れた時間は僅かで、特に攻撃は伝統のサイドアタック他あらゆる手を封じられてしまいました。両ウイングは、例年よりは若干落ちるもののストロングポイントのはずで、特にサイズがあり左足のキックもいい11木橋朋暉が、縦への突破も抜かずのクロスもマッチアップの2鍵山慶司を崩すことができなかったのは大きな誤算でした。キャプテン10福田湧矢は攻守に積極的に関与し奮闘しましたが、今年のヒガシは彼が全てを背負いすぎている気も。試合後倒れ込むチームメイトを鼓舞する姿を見て、そんな印象を覚えました。
全国高校総体 2回戦
東福岡高校 1-3(0-1)青森山田高校
@ みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンド
(東福岡)62分 青木真生都
(山田)27分 田中凌汰、44分 浦川流樺、70分 郷家友太
いつも詳細な試合内容が分かり楽しく拝見させていただいております。新しく更新されていないか毎日何度も拝見しております。暑いなかで大変なこともあると思いますが応援しております。
>ドトさん
ご覧いただきありがとうございます。
現場の空気が少しでも伝わればうれしいです。
この時期の観戦はなかなかに体力を要しますが、少しでも早く更新します!