高校総体準々決勝
昌平vs静岡学園

インターハイ開催地・広島へ。
会場となる広島広域公園は、プレミア参入戦ですっかり通い慣れた道のり。
準々決勝・第一試合は、奇しくもプレミア参入戦で観戦した静岡学園と、王者・東福岡を撃破、選手権初出場・プリンス関東昇格を勝ち取った一昨年に続く、ブレイクを見せている昌平の対戦です。
蒸し暑いけど、太陽が隠れているのがせめてもの救い。
昌平高校
埼玉県1部リーグは、
第9節終了時点で、7勝1敗1分勝点22で2位。
高校総体は、
1回戦:vs 中津東(大分) 5-0
2回戦:vs 東福岡(福岡) 3-2
3回戦:vs 前橋商(群馬) 1-1(PK4-3)
今シーズン初観戦。
GK
1 緑川 光希 2年 173/67 FC古河
DF
2 石井 優輝 2年 174/64 C.A.アレグレ
12 篠山 立 3年 172/68 クマガヤSC
15 塩野 碧斗 2年 165/61 1FC川越水上公園
17 関根 浩平 1年 176/61 栃木SC
MF
6 新垣 理生 3年 166/76 クラブドラゴンズ柏
7 針谷 岳晃 3年 166/56 FC古河
10 松本 泰志 3年 178/66 クマガヤSC
11 佐藤 大誠 3年 170/57 S.T.FC
14 山下 勇希 2年 166/56 浦和レッズ
FW
9 本間 椋 3年 164/62 FOURWINDS
ーーーーーーーー本間ーーーーーーーー
ー山下ーーーーーーーーーーーー佐藤ー
ーーーー松本ーーーーーー針谷ーーーー
ー塩野ーーーーー新垣ーーーーー篠山ー
ーーーー石井ーーーーーー関根ーーーー
ーーーーーーーー緑川ーーーーーーーー
静岡学園高校
プリンスリーグ東海は、
第9節終了時点で、2勝6敗1分勝点7で7位。
高校総体は、
1回戦:vs 一条(奈良) 5-0
2回戦:vs 四学香川西(香川) 5-1
3回戦:vs 大阪学院大高(大阪) 2-0
今シーズン初観戦。
GK
1 山ノ井 拓己 3年 186/74 ジェフ千葉
DF
4 嶋 一駿 3年 178/71 FC KASUKABE
5 天本 翔太 3年 176/64 GRANDE FC
15 森主 海斗 3年 177/63 静岡学園中
MF
2 坂西 望 3年 169/58 GRANDE FC
10 若山 修平 3年 173/65 エルバFC
12 戸田 大智 3年 167/61 静岡学園中
14 金冨 祐大 3年 165/58 FC NEO
16 伊藤 稜馬 2年 167/57 アスルクラロ沼津
FW
7 渡井 理己 2年 168/58 FC LIBERDADE
9 福原 涼太 3年 176/63 清水エスパルス
ーーーー渡井ーーーーーー福原ーーーー
ーーーーーーーー戸田ーーーーーーーー
ー伊藤ーーーーーーーーーーーー坂西ー
ーーーー若山ーーーーーー金冨ーーーー
ーーー嶋ーーーー森主ーーー天本ーーー
ーーーーーーー−山ノ井−ーーーーーーー
HT
16 伊藤→
13 青嶋 智也 3年 162/55 静岡学園中
12 戸田→
3 岡野 悠太 3年 178/70 宇治FC
58分
7 渡井→
11 白川 大吾廊 3年 172/65 刈谷81FC
2016年U-17日本代表/渡井
試合形式は35分ハーフ。
共にショートパスからの繋ぎを主体とする展開も、決定的なチャンスは作れず。
終盤に、試合を左右する一発退場。
両チーム、中盤でショートパスを繋ぐ志向でテクニカルな展開。
最初のチャンスは静学。5分、左サイドで押し込むと、10若山の縦パスを16伊藤が落とし、12戸田がカットインからミドルシュート。しかし威力は弱めで、キーパーが難なくキャッチ。
11分、静学は12戸田から左サイドへ見事なミドルパス。16伊藤が追い付きクロスを上げますが、ディフェンスがクリア。静学は、左サイド16伊藤を起点に、チャンスを伺います。
一方の昌平は16分、左サイドを突破。中央の7針谷へ繋ぐと、キープからヒールで落とし14山下がドリブル突破。エリアに侵入するも、静学5天本のカバーリングでフィニッシュには至らず。
昌平は、個々のターンスピードが速く、ダイレクトでの展開に可能性を感じさせます。フィニッシュには至らないものの、あと一歩かみ合えばといったところ。
17分、昌平は中盤で10松本がボールカット。すぐさまスルーパスを供給し、左サイドを9本間が前進。カットインからラストパスを狙いますが、DFがコースを変え惜しくも繋がらず。
9本間は、瞬発力に優れ、前線へのルーズボールを鋭く反応するとともに、小柄ながら簡単には倒れない馬力があります。
23分、昌平の左コーナー。7針谷が直接狙いますが、1山ノ井がパンチング。
24分、静学は右サイドへのゴールキックを9福原が頭で反らすと、7渡井から再び受けた9福原が左足でミドル。これがDFに当たってコーナーを獲得すると、ファーで5天本が合わせますがゴール上。
26分、静学のショートカウンター。右から左へ展開し、16伊藤がDFをサイドに引っ張って、中央の10若山へ。ミドルを狙いますが、キーパー正面。
34分、昌平のロングキック。ライン裏に抜けたボールに9本間と5天本が競争。9本間がちぎりかけたところで交錯すると、このプレーで対応した天本が一発退場。静学は、不運なプレーで残り半分近くを一人少ない状態で戦うことに。
35分、昌平はゴール左寄り30mでセットプレー。7針谷が直接狙いますが、シュートはゴール左。
前半は、スコアレスで終了。
数的有利の昌平が、10番・松本のゴールで先制。
追いすがる静学も、名門の意地を見せる。
一人少なくなった静学が選手交代。
布陣を以下の通りに。
ーーーー福原ーーーーーー渡井ーーーー
ー青嶋ーーーーーーーーーーーー坂西ー
ーーーー若山ーーーーーー金冨ーーーー
ーーー嶋ーーーー森主ーーー岡野ーーー
個の仕掛けに切り替えた静学が、序盤予想外にペースを握ります。
しかし6分、昌平のショートカウンター。10松本がドリブルで前進すると、9本間の囮の動きで空いたコースへ持ち出し右足でミドル!枠を捉えたかに見えましたが、わずか右。両チーム初めての決定機に。
昌平は、数的有利を活かし空いた中盤のスペース広く使う戦術に変更。動かされる場面の増えた静学は耐える時間帯に。
そして15分、昌平のショートカウンター。ドリブルで前進した10松本が9本間とのワンツーで中盤のラインを突破。再び9本間に預けると、エリア左へ侵入した10松本へラストパス。左足のシュートフェイントで追いすがるDFを剥がすと、右足で巻いて右足で巻いてファーに突き刺す素晴らしいゴール。これには静学・名手1山ノ井もノーチャンス。
〈昌平高校 1-0 静岡学園高校〉
24分、静学は9福原がバイタルへ侵入。ヒールの切り返しで相手を剥がし、左足でミドルシュート。直前でバウンドしたボールを1緑川がファンブルすると、詰めた選手と交錯しますが、一瞬先にさわった緑川へのファウルの判定。決定的な場面。
25分、静学は左サイドへ展開。中央へ繋ぎ9福原がミドルで狙いますが、ゴールを大きく越えます。
27分、静学は再び左サイドへ打開。2坂西のクロスを9福原が落とすと、10若山がダイレクトでシュート。ディフェンス当たりゴールへ向かいますが、惜しくもわずか左。
29分、静学の右コーナー。10若山の速いキックに、4嶋が頭で合わせますがミートできず。
終盤に入り、運動量が落ちてきた昌平は、カウンターの機会を得るも、精度を欠いて陣地を回復できない場面が続きます。息を吹き返してきた静学に対し、勝負を決めないと痛い目にあうかも。
33分、静学の右コーナー。ニア11白川が頭でねじ込みますが、ゴール右。
35+1分、静学の右コーナー。4嶋が飛び込みますが、DFがクリア。
続く右コーナー。再び4嶋が打点の高いヘッドで合わせますが、ゴールわずか左。
35+4分、諦めない静学の攻撃。右サイドからのハイクロスは1緑川に弾かれるも、これを頭で押し込みます。無人のゴールを捉えますが、左ポスト際、勇気を持って頭を出した昌平17関根が起死回生のクリア!
直後、試合終了のホイッスル。終盤まで見せ場のあったゲームは、昌平が1点を守り抜きベスト4進出。
東福岡撃破はフロックではなかったことを示した昌平。
中盤のキープレーヤーたちが持ち味を発揮。
昌平は、ダイレクトパスを主体としたプレーで始まった前半キックオフから、徐々に馬力のある最前線9本間へのスルーパスへ移行。可能性を感じさせる中、終了間際のプレーで数的アドバンテージを得ると、後半は一人多い利点を活かしてサイドを大きく使い、ショートカウンターから先制。その後チャンスを迎えるも仕留めきれず、終盤押し込まれましたが、何とか守りきりセミファイナルへと駒を進めました。
選手個々では、先述の9本間に加え中盤の選手が好プレー。ポジショニングに優れ、体を張ってルーズボールを拾えるキャプテン6新垣、ボランチ7針谷は、密集の中、テクニシャン軍団・静学のお株を奪ういなしで会場を何度か沸かせました。ミドルパスはスピード、精度ともに非常に質が高い。唯一の得点を奪った10松本は、前半やや消極性が感じられたものの、後半スペースができてからは積極的なドリブルを披露。懐が深く、柔らかいタッチから味方をうまく使って局面を打開し、右足のインフロントキックは大きな武器に。
静岡学園は、前半14金冨の展開から左サイド16伊藤が何度か仕掛けを見せましたが、バイタル以降のアイデアを欠き、何度か放ったミドルシュートは相手を脅かすには至らず。終了間際に退場者を出し、後半まるまる10人での戦いを強いられることになってしまいました。
それでも、終盤には名門の意地を見せ攻勢に出ると、9福原の気持ちの入った突破で押し込みチャンスを作りましたが、ラストプレーの決定機もDFの奇跡的なクリアに阻まれ万事休す。静学の夏は、ベスト8で終えることになりました。
全国高校総体 準々決勝
昌平高校 1-0(0-0) 静岡学園高校
@広島広域公園第一球技場
(昌平)50分 松本泰志