高校選手権準決勝
青森山田vs帝京長岡

青森山田高校
今シーズンは、プレミアリーグEASTに所属。
11勝4分3敗勝点37で優勝。
プレミアファイナルは、名古屋グランパスを下して優勝。
夏のインターハイは、全国大会ベスト16。
今大会は、
R32:vs 米子北 6-0
R16:vs 富山第一 4-1
準々決勝:vs 昌平 3-2
今シーズン3回目の観戦。
9/21 プレミアイースト vs 柏レイソル
1/5 選手権準々決勝 vs 昌平
GK
1 佐藤 史騎 3年 180/68 横浜FC
DF
2 内田 陽介 2年 166/60 クマガヤSC
3 神田 悠成 3年 176/68 清水エスパルス
4 箱﨑 拓 3年 177/71 湘南リーヴレ・エスチーロ
5 藤原 優大 2年 180/69 青森山田中
MF
6 古宿 理久 3年 176/66 横浜FC
7 松木 玖生 1年 176/70 青森山田中
8 浦川 流輝亜 3年 168/60 横浜FC
10 武田 英寿 3年 175/63 青森山田中
11 後藤 健太 3年 174/63 FC東京深川
FW
9 田中 翔太 3年 178/72 エクサス松戸
ーーーーーーーー田中ーーーーーーーー
ー浦川ーーーーー武田ーーーーー後藤ー
ーーーー松木ーーーーーー古宿ーーーー
ー神田ーーーーーーーーーーーー内田ー
ーーーー藤原ーーーーーー箱崎ーーーー
ーーーーーーーー佐藤ーーーーーーーー
67分
11 後藤→
13 得能 草生 3年 164/64 コンサドーレ札幌
81分
9 田中→
15 安斎 颯馬 2年 174/67 FC東京深川
85分
7 松木→
16 那俄牲 海 3年 168/62 青森山田中
90+5分
10 武田→
14 金 賢祐 3年 174/63 FCソウル
浦和レッズ内定/武田
横浜FC内定/古宿
2019年U-18日本代表/武田
2019年U-17日本代表候補/藤原
2019年U-16日本代表/松木
帝京長岡高校
今シーズンは、プリンスリーグ北信越に所属。
12勝3分3敗勝点39で優勝。
プレミアプレーオフは、横浜F・マリノスに敗退し昇格ならず。
夏のインターハイは、新潟県大会ベスト4。
今大会は、
R32:vs 熊本国府 3-0
R16:vs 神戸弘陵 5-0
準々決勝:vs 仙台育英 1-0
今シーズン2回目の観戦。
10/27 選手権新潟準決勝 vs 北越
GK
1 猪越 優惟 3年 183/71 FCみやぎバルセロナ
DF
3 吉田 勇介 3年 169/58 長岡JY FC
4 吉田 晴稀 3年 176/64 長岡JY FC
5 丸山 喬大 3年 167/57 新潟トレジャーFC
MF
2 酒匂 駿太 2年 175/65 スクエア富山
6 川上 航立 2年 170/62 ガンバ門真
7 田中 克幸 3年 170/59 FC Viparte
9 本田 翔英 3年 173/65 長岡JY FC
14 谷内田 哲平 3年 169/63 長岡JY FC
FW
10 晴山 岬 3年 171/62 長岡JY FC
11 矢尾板 岳斗 3年 162/51 長岡JY FC
ーーーー晴山ーーーーー矢尾板ーーーー
ーーーーーーーー田中ーーーーーーーー
ー本田ーーーーーーーーーーーー酒匂ー
ーーーー谷内田ーーーーー川上ーーーー
ーーー吉田勇ーー丸山ーー吉田晴ーーー
ーーーーーーーー猪越ーーーーーーーー
54分
11 矢尾板→
24 鈴木 遼平 3年 162/54 下越セレソン
85分
14 谷内田→
12 江上 陽太 3年 165/65 スクエア富山
88分
6 川上→
25 中村 太一 1年 155/46 三菱養和SC調布
90+3分
3 吉田勇→
8 青山 慶紀 3年 166/55 FCサザン
京都サンガF.C.内定/谷内田
FC町田ゼルビア内定/晴山
愛媛FC内定/吉田晴
2019年U-18日本代表/晴山
2019年U-17日本代表候補/田中、矢尾板
試合形式は45分ハーフ。
5分、帝京長岡の攻撃。
中央で10晴山岬が収め、11矢尾板岳斗を経由し左へ展開。
9本田翔英がキレあるシザーズからアーリークロス。
中央7田中克幸がヘッドで合わせるが、ゴール右へ外れる。
さらに直後、スムーズなパス交換から11矢尾板岳斗が右サイドを突破。
グラウンダーのクロスに中央9本田翔英が左足で合わせる。
ディフェンスが何とか当ててゴール右へ逸れる。
10分、帝長のハイボールを3神田悠成がカバー。
しかしGKへのバックパスが短く、これを11矢尾板岳斗が猛チェイス。
GK佐藤史騎のクリアをブロックするとボールはゴールへ向かうがわずか左へ外れる。
序盤は、帝長が強度を上げて猛攻を仕掛けていた。
全員のパス精度そして繋ぐことを前提とした身のこなしが良いので、ダイレクトを始め少ないタッチ数で回せる。
大観衆の中そして青森山田相手にどこまでやれるかと思っていたが、全く臆さず持ち味を発揮。
3バック中央5丸山喬大のハイトーンコーチングがいつもの雰囲気を作り出していたのかもしれない。
的確なカバーリングで高い位置で弾き返し、攻撃に繋げる。
4吉田晴稀も隙があれば自ら持ち上がる。
しかしこの時間帯で得たチャンスを1つはモノにしておきたかった。
16分、山田が右サイド11後藤健太のキープから押し込む。
6古宿理久のコース、強さ完璧なスルーパスから奥深くに侵入した2内田陽介がクロス。
中央9田中翔太が後ろに戻りながらヘッド。これがバーに当たってゴールイン。
押されていた山田が、ワンチャンスで先制に成功する。
〈青森山田高校 1-0 帝京長岡高校〉
21分、攻め手を緩めない帝長は中央6川上航立が狭いコースを縦に通す。
10晴山岬の素晴らしいターンから右アウトでフィニッシュもわずか左へ外れる。
31分、帝長は左で回し9本田翔英がカットイン。
右足のアーリークロスは、中に走り込んだ2酒匂駿太にはわずかに合わない。
32分、帝長は中盤でインターセプト。
7田中克幸が30mの位置から左足ミドル。地を這うシュートはゴール右へ。
35分、帝長は左スローインから9本田翔英が14谷内田哲平とスイッチ。
サイドを抉りGKと一対一も、我慢した1佐藤史騎が冷静にコースを塞ぎストップ。
36分、帝長は左サイド14谷内田哲平がキックフェイントで二人を引きつけその間を抉る。
左足での速い低空クロスは1佐藤史騎が飛び込んで弾く。
ゴール目前にこぼれたボールを2酒匂駿太が詰めるが再び佐藤がストップ。
浮いたボールを酒匂が頭で押し込むが、ゴール内をカバーしていた7松木玖生が渾身のクリア。
松木が超決定機を阻止し、雄叫びを上げる。
39分、山田は右サイドのスローインから10武田英寿が意表をつく右足のクロス。
ファーまで流れたボールを8浦川流輝亜が左足で合わせるがゴールわずか左。
前半は山田の1点リードで終了。
帝長がポゼッションの質を示して決定機多数も無得点。
左WB9本田翔英がドリブルで効いている分、裏を狙われがちなのは気になる。
1分、山田はバイタル右寄りで9田中翔太が収める。
大外からフォローした10武田英寿がキープから追い越した6古宿理久を使う。
アーリークロスはニアでDFがブロックも、ファーに流れたボールを7松木玖生が押し込む。
相手の穴を確実に付いてくるさすがの試合運び。
〈青森山田高校 2-0 帝京長岡高校〉
15分、帝長は6川上航立を起点に14谷内田哲平が前を向いて運ぶ。
バイタル右寄りから右足ミドルで対角を狙うも、1佐藤史騎が弾いてゴール左へ。
14谷内田哲平は、パス精度の高い帝長の中でも配球センスが際立っていた。
安定したキープから、短中距離問わず狭いコースに絶妙な強弱をつけたパスを送る。
19分、帝長は右サイドから侵攻。
折り返しは流れ、大外から切れ込んだ3吉田勇介が左足でミドル。
これを前方エリア内にいた10晴山岬がショートカット。
すぐさま左足を振り抜きゴール右隅を捉える。
しかし1佐藤史騎が超反応でストップ。決定的な場面だった。
前半から鋭いターンからのフィニッシュワークとマーカーを引きづる足腰の強靭さで、
らしさは存分に見せていた10晴山岬だが、1佐藤史騎の好守を前になかなかゴールを割れない。
そしてもう一人立ちはだかっていたのが5藤原優大。
サイズに勝る空中戦での優位はもちろんだが、地上戦でも晴山相手に互角以上の闘いぶり。
激しいコンタクトで前を向かせず、寄せるスピードも速い。
4箱﨑拓との絶妙なラインコントロールで裏抜けは一度も許さなかった。
31分、帝長のスーパープレーが飛び出す。
バイタルで前向いた7田中克幸がドリブルを開始。
テンポとコースを微調整しつつスルスルとDFを交わし左斜めに切れ込む。
そのままエリアに侵入し、左足で右サイドネットへ撃ち抜く!
田中のゴラッソで帝長が1点差に詰め寄る。
〈青森山田高校 2-1 帝京長岡高校〉
個人的に帝長の真のエースだと思っている7田中克幸がスーパープレー。
山田10武田英寿とは脱力系、レフティと共通点が多いが、
武田は相手の嫌なところを確実につく、味方を助ける実効性の高さが光るのに対し、
田中は想像を超えてくるセンスを持つ稀有なタイプだ。
47分、帝長は自陣左サイドから8青山慶紀がドリブルを開始。
そのままエリア付近まで駆け上がり混戦から12江上陽太が抜け出す。
左足の折り返しを、最後は10晴山岬が左足でフィニッシュ。
決定的だったが、惜しくもゴール右へ外れる。
このプレーをラストチャンスにタイムアップ。
帝京長岡最強世代の歩みは、全国ベスト4で終えることに。
J入団そして年代別代表クラスのタレントが特定学年に揃い、かつ幼少の頃から地元のチームで共にプレーをしてきたルーツを持つなんてほとんど「奇跡」に近いが、そんなチームが取りこぼさずに埼スタに進出し、全国放送で自分たちが磨いてきたプレーを思う存分披露できたという意味では、ほとんど最高に近い「奇跡のストーリーの結末」だったんじゃないかなと思う。
高校サッカーファンとして、1ページに刻みたくなるチームだった。
そして、そんな奇跡を持ってしても超えられない青森山田という壁。
昌平戦に続き、そしてそれ以上に主導権を握られ続けたにも関わらず、終われば勝っている。
この絶対的な強さはなんなのか。
主導権を握られても押し込まれても狼狽えないタフさ、そして決定機をモノにするここぞの驚異的な集中力。
プレミアリーグで実力に勝るJユースに揉まれている中で、スタッフも含めての「チーム哲学」として磨き上げられている。
元々エリート育成という理念で創設されたプレミアリーグだが、世代全チームのターゲットになるようなこのモンスターチームを生み出したのは間違いなく一つの成果だ。
2020年1月11日 12:05K.O.
全国高校サッカー選手権 準決勝
青森山田高校 2-1(1-0)帝京長岡高校
@埼玉スタジアム2○○2
(山田)16分 田中翔太、47分 松木玖生
(帝長)77分 田中克幸