高校選手権決勝
前橋育英vs星稜

高校選手権決勝。
U-18世代におけるシーズン最終戦です。
相対するのは、5度目の挑戦にして「準決勝の壁」を打ち破り初の決勝進出を果たした前橋育英と、2年連続の決勝、こちらも初めての優勝を狙う星稜。夏の総体準々決勝でも対戦している両者ですが(前橋育英が2-1で勝利)、どんな戦いになるでしょうか。
前橋育英高校
夏の高校総体は3位。
プリンスリーグ関東は3位に入ったものの、プレミア参入戦2回戦で履正社高校に敗戦。
選手権は、2回戦からの登場。
2回戦:vs 初芝橋本(和歌山) 1-0
3回戦:vs 山梨学院大附(山梨) 1-1(PK6-5)
準々決勝:vs 京都橘(京都) 4-0
準決勝:vs 流経大柏(千葉) 1-1(PK5-4)
GK
1 吉田 舜 3年 183/67 クマガヤSC
DF
3 岩 浩平 3年 175/65 横浜F・マリノス追浜
4 宮本 鉄平 3年 184/74 前橋FC
6 渡辺 星夢 3年 176/67 クマガヤSC
16 上原 大雅 3年 176/67 FC厚木JY DREAMS
MF
10 渡邊 凌磨 3年 176/66 クラブレジェンド熊谷
11 坂元 達裕 3年 167/58 FC東京むさし
13 吉永 大志 3年 174/61 JFAアカデミー福島
14 鈴木 徳真 3年 168/63 FC古河
FW
9 青柳 療汰 3年 180/70 クマガヤSC
24 野口 竜彦 2年 175/65 高槻FC
ーーーー青柳ーーーーーー野口ーーーー
ー渡邊ーーーーーーーーーーーー坂元ー
ーーーー吉永ーーーーーー鈴木ーーーー
ー渡辺ーーーーーーーーーーーーー岩ー
ーーーー宮本ーーーーーー上原ーーーー
ーーーーーーーー吉田ーーーーーーーー
2014年U-19日本代表候補/渡邊、鈴木
星稜高校
夏の高校総体はベスト8。
プリンスリーグ北信越は2位に入ったものの、プレミア参入戦1回戦でベガルタ仙台ユースに敗戦。
選手権は2回戦からの登場。
2回戦:vs 鹿児島城西(鹿児島) 0-0(PK5-3)
3回戦:vs 米子北(鳥取) 2-1
準々決勝:vs 履正社(大阪) 1-0
準決勝:vs 日大藤沢(神奈川) 4-0
GK
1 坂口 璃久 2年 181/76 星稜中
DF
2 宮谷 大進 3年 170/61 ヘミニス金沢
3 原田 亘 3年 175/66 ヴィッセル神戸
4 高橋 佳大 3年 174/62 FCサザン
5 鈴木 大誠 3年 182/70 ソレステレージャ奈良
MF
7 藤島 樹騎也 3年 167/57 名古屋グランパス
8 平田 健人 3年 178/80 千里丘FC
9 前川 優太 3年 172/72 セレッソ大阪西
15 杉原 啓太 3年 179/69 名古屋グランパス
FW
10 大田 賢生 3年 176/66 星稜中
11 森山 泰希 3年 173/68 名古屋グランパス
ーーーー森山ーーーーーー大田ーーーー
ー藤島ーーーーーーーーーーーー杉原ー
ーーーー平田ーーーーーー前川ーーーー
ー宮谷ーーーーーーーーーーーー原田ー
ーーーー鈴木ーーーーーー高橋ーーーー
ーーーーーーーー坂口ーーーーーーーー
育英は6渡辺、そして今大会初出場でもある24野口が初先発。
序盤、星稜が積極的に仕掛けます。1分に、左サイド2宮谷が粘ってクロスを上げると、ボールが風に流されながら10大田へ。ファーストシュートは、惜しくもゴール右サイドネットへ外れます。
育英は、キックミスなどやや堅さが見られますが、守備面では星稜8平田、9前川に簡単に前を向かせません。
しかし9分、育英はDFラインでのパス回しから久々のスタメンを飾った6渡辺のパスは若干弱めに。プレスをかけた星稜10大田と育英GK1吉田が交錯。一瞬早く触った大田がひっかけられ、星稜がPKを獲得します。これを9前川がGKの逆をつき、星稜が先制します。
<前橋育英高校 0-1 星稜高校>
勢いに乗る星稜は、19分右サイド15杉原がダブルタッチで1人をかわし、ゴールライン際まで突破しシュートを狙いますが、ゴールわずか左へ外れます。
ペースを掴みたい育英は、9青柳へロングボールを供給します。空中戦で星稜5鈴木に対してリードしますが、4高橋が素早いカバーリングで対応。コンビプレーでチャンスをつくらせません。
それでも個人技に勝る育英は、25分11坂元がドリブルでDFをひきつけ、ヒールで10渡邊へ繋ぐと、ミドルで狙いますがGKの正面をつきます。
30分には、またも右サイド11坂元が鋭いフェイントでカットインからシュートを狙いますが、星稜GK1坂口がセーブします。
続く31分には、24野口、10渡邊と繋ぎ、ドリブルからシュートを狙いますが、再びGK坂口がセーブ。
育英はようやくペースを握り、最終ラインからパスが繋がり始めます。13吉永は瞬間的に足首を使い分け、星稜の激しいプレスの中で的確にボールを繋ぎます。
33分、セットプレーからのロングボール。24野口が競り勝ち10渡辺が狙いますが、ミートしきれずシュートはゴール左へ外れます。
劣勢に立たされた星稜ですが、終了間際の44分、パスカットから7藤島がタメをつくり、追い越してきた10大田へスルーパス。そのままシュートを放ちますが、ボールはゴール左へ外れます。
ここで前半終了。
星稜の中盤8平田、9前川、最終ラインの4高橋、5平田は的確にピンチを防ぎますが、育英も対等以上に戦えており、後半もチャンスはありそうです。
後半開始から両チームとも積極的に仕掛け、陣地は次々と変わる展開に。
50分、育英はセットプレーから24野口が落とし、14鈴木がシュートを狙いますがゴール上へ。24野口をはじめ育英FWと星稜DFは得点こそ生まれていないもののギリギリの攻防が続きます。
そして53分、育英はロングボールから9青柳が星稜5鈴木との競り合いを制すと、24野口が星稜4高橋をうまく抑えながら左足で流し込み同点ゴール。初先発の野口が見事期待に応えます。
<前橋育英高校 1-1 星稜高校>
続けざま55分、育英はカウンターから10渡邊が一気にドリブルで左サイドを駆け上がると、エリア内切り返しからシュート。ボールは急激な弧を描き、ゴールネットへ。世代トップクラスのタレントがついにその才能をゴールに繋げます。育英がわずか3分で逆転。
<前橋育英高校 2-1 星稜高校>
会場は一気に、育英の押せ押せムード。たたみかけます。
しかし、負けられない星稜は63分、右サイドに流れた10大田が切り返して左足でクロスを上げると、3原田がヘディングで合わせすぐさま同点。「右サイドバックがなぜそこにいる」。普段、冷静に陣地を保つ選手が、それを無視して走り込む。これも選手権決勝の最高潮のテンションがなせる技でしょうか。
<前橋育英高校 2-2 星稜高校>
ここから両チームテンションはMAX。スピード、コンタクト。大観衆の声援の中で、これまでに見せたことがないような激しさを魅せます。
育英は途中出場の8小泉佳穂(3年/FC東京むさし)が間延びしてきた中盤で積極的にボールを受けて展開。こちらも途中出場の23横澤 航平(2年/前橋FC)がドリブルで突破を図る一方、星稜はサイド攻撃を徹底し、CKからチャンスをつくります。
85分、星稜はCKから9前川が折り返すと、10大田の強烈なシュートは育英1吉田の手をかすめクロスバーを直撃します。
結局スコアは動かず前後半終了。2年連続の延長戦へ突入します。
10分ハーフの延長戦。両チームとも失点を恐れず積極的に攻撃をしかけます。
するとゲームを動かしたのは星稜でした。94分、左サイドから展開すると、11森山がうまくDFと入れ替わり左足でシュート。今大会初ゴールで再逆転。
<前橋育英高校 2-3 星稜高校>
何としても追い付きたい育英は、99分中盤での奪い合いから9青柳がロングボール。10渡邊がGKと1対1のチャンスを迎えますが、長い距離走り込んだせいかシュートはゴールを大きく超えてしまいます。
続く12分には、CKから9青柳が飛び込みますが、ヘディングはゴール上へ。
刻々と時間は経過し、星稜はキープへ。まさに育英応援スタンドの目の前、右サイドで9前川を中心に憎らしいまでのパス回しでボールを保持し続けると、引き付けられたDFの穴を突き、フリーでボールを受けた11森山が思い切りのいいミドルシュート。少しアウト回転のかかったボールは、育英GK吉田の前で軌道を変えながら、優勝を決定づけるゴールへ飛び込みます。
<前橋育英高校 2-4 星稜高校>
このまま試合は終了。星稜が昨年掴みかけながらも手からこぼれた優勝を、しっかりとその手に掴みとりました。
これで今シーズンの観戦は最後になりましたが、この1年、目にしてきた色々な場面が風味になって、選手権で目にした「彼らが去っていく瞬間」を一層味わうことができました。
選手のみなさん本当にお疲れさまでした。来シーズンも、素晴らしい試合、素晴らしいプレーを期待せずにはいられませんね。
全国高校サッカー選手権 決勝
前橋育英高校 2-4EX(1-0) 星稜高校
@さいたまスタジアム2○○2
(育英)53分 野口竜彦、55分 渡邊凌磨
(星稜)9分 前川優太(PK)、63分 原田亘、94分、99分 森山泰希